電気刺激を用いた指先への滑り感の提示2010-
Pseudo Slipping Sensation to the Fingertip with Electrical Stimulation

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PCなどのポインタを操作するポインティングデバイスは,力制御による入力方式のポインティングスティック型と,位置制御による入力方式のタッチパッド型に大別される.前者は小面積での入力が可能であるが,曲線を描くような細かい操作が困難である.一方で,後者は直感的であり細かい操作が可能であるが,前者に比べ設置面積が大きくなってしまう.つまり,従来の入力インタフェースでは,入力環境の小面積化と直感性の両立は困難であった. 本研究では小面積かつ直観的操作が可能な入力インタフェースの実現のために,当研究室が発見した電気刺激を用いた滑り錯覚という現象を利用したポインティングデバイスを提案する.発見された滑り錯覚は,指の腹を接触させた状態で指先に水平方向の力を加えている時に,力の方向と逆の方向に移動する電気刺激を提示すると,指先が動いていないにも関わらず,力を加えた方向に自分の指が滑っていくように感じるものである. この滑り錯覚を利用することにより,ユーザは指を動かすことなく,位置による入力をしているように錯覚させることができると考えられる.つまり,力制御型のような小面積な入力環境でありながら,位置制御型のような操作感が得られるポインティングデバイスが実現できると考えられる.
We found a new haptic illusion that causes pseudo slipping sensation. An electro-tactile display constantly presents moving pattern to a finger. When shearing force is applied to the finger which direction is opposite to the presented motion, the participant feels as if his/her finger moves with constant speed. As this illusion presents pseudo motion, it can be applied to a new type of pointing device that does not move, but presents motion to the user by the illusion, resulting in smaller workspace. In this paper, we investigated the occurrence condition of the illusion focusing on the shearing force of the fingertip and the velocity of the electrical stimulation.

国際学会 International Conference with Peer Review
Hiroyuki Okabe, Shogo Fukushima, Michi Sato, Hiroyuki Kajimoto, Fingertip Slip Illusion with an Electrocutaneous Display, The 21st International Conference on Artificial Reality and Telexistenc, November 28-30, 2011.

国内学会 Domestic Conference
岡部浩之,大原淳,蜂須拓,古川正紘,福嶋政期,梶本裕之:電気触覚ディスプレイを用いた指先への滑り錯覚の提示,第15回日本バーチャルリアリティ学会大会, 2010.
岡部浩之,大原淳,蜂須拓,古川正紘,福嶋政期,梶本裕之:電気刺激を用いた指先への滑り感提示, 力触覚の提示と計算 第5回研究会(2010年11月 仙台),2010. pdf
岡部浩之,大原淳,福嶋政期,古川正紘,梶本裕之:電気刺激を用いた滑り感提示における指先の水平力と電気刺激の方向依存性, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2011(2011年5月 岡山),2011. pdf